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危機感を抱く日本企業 競争力を得るためのデジタル活用

日本の1 人当たり労働生産性 OECD 加盟 36 カ国中 21 位

公益財団法人 日本生産性本部が2018年12月に発表した「労働生産性の国際比較 2018」によると、2017年の日本の 1 人当たり労働生産性(就業者1人当たり付加価値)は、84,027 ドル(837万円)であったそうです。順位で見ると、OECD 加盟 36 カ国中 21 位であり、主要先進7カ国の中では最下位となる水準です。

労働生産性の向上は、日本において喫緊の課題となっています。コンピュータの登場に伴う第三次産業革命の流れの中で、日本は世界経済の主役を奪われました。そして今、すべてのモノがネットワークに繋がり、産業構造が大幅に変化する第四次産業革命が進行しているとされています。この新たな潮流に適合できるかにより、日本の生産性を高められるか否かが左右されるでしょう。

産業構造の変化は、その産業に属する企業の存続や競争力に大きな影響を及ぼします。第四次産業革命の特徴として、最新の技術を駆使したIT企業が自ら別の産業に参入し、既存の経営環境を抜本的に変えてしまう現象が起きています。こうした既存の市場のシェアを奪う新興勢力は、「ディスラプター(破壊者)」と呼ばれます。

ディスラプターの登場に対して、日本の大企業の多くが危機感を抱いているようです。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が2018年12月に東証一部上場企業(従業員数の多い順に1,000社)を対象としたアンケート結果によると、「現在の主力製品・サービスが、現在の競争力を確実に維持できる年数」として「約2〜3年後」と答えたのが22.8%、「約5年後」と答えたのが28.3%でした。半数以上の大企業が、近い将来に自社のビジネスが立ち行かなくなる可能性があると認識しています。

こうした産業構造の変化に対応するためには、デジタル化の波に適合し、自社の競争力に変えていく他ありません。2018年5月にOECDで開催された「GOING DIGITAL IN A MULTILATERAL WORLD」においては、企業・組織が進めるべきデジタル活用の方向性を、「デジタイズ」と「デジタライズ」という2つの言葉で表現しています。

「デジタイズ」とは、業務レベルのデジタル化に対応しています。業務プロセスを見直し、デジタル技術を用いることで、既存業務の効率化を図ることを意味します。人口減少社会にある日本においては、より少ない労力で作業が進むように業務プロセスにデジタル技術を組み込む「デジタイズ」が求められています。

一方で「デジタライズ」とは、ビジネスモデルレベルのデジタル化に対応してします。ディスラプターとして既存市場に参入するIT企業は、デジタル技術を活用することで、これまでになかったビジネスモデルを生み出し、競争力を発揮しています。既存企業も同様にデジタル技術をビジネスに組み込むことで、産業の変革を主導することが可能です。デジタル技術を用いて、新たなサービス・ビジネスモデルを生み出す「デジタライズ」によって、企業・組織の競争力を大幅に高めることができます。

デジタル技術の活用は、IT企業の専売特許ではありません。世界では既存のプレイヤーがデジタル化に力を入れ、産業構造の転換を推し進める事例も出てきています。第四次産業革命の波を脅威として捉えるのではなく、生産性向上の好機として見る発想が求められています。

【参考資料】
OECD(2018)「GOING DIGITAL IN A MULTILATERAL WORLD」
https://www.oecd.org/going-digital/C-MIN-2018-6-EN.pdf

公益財団法人 日本生産性本部(2018)「労働生産性の国際比較 2018」
https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2018.pdf

独立行政法人 情報処理推進機構(2019)「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」
https://www.ipa.go.jp/ikc/reports/20190412.html

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